稼ぐネズミ

果たして結婚相手としての相性はどうなんだろうな。
東京近郊にある某巨大テーマパークからの帰り道、頭の中でつぶやかずにはいられなかった。
確かに彼女は可愛い。

高校生のようなおかっぱのミドルヘア。

いつも身にまとっている服装は、桜色やベージュのシフォン素材?のふりふりの柔らかな色調だ。
笑うと両方の頬には、笑窪が深く刻まれる。

旧知の知り合いだったかのような、くりくりした人懐っこい瞳の笑顔。
知り合いに紹介すると、皆「可愛いなぁ~いいなぁ~」と羨ましがられるのも自慢だ。

でも、この幼稚さ加減はどうなんだろう。
彼女は、世界で一番稼ぐネズミに嬉々として手を振っていた。
いい大人が、ぶんぶんと手を高く掲げてネズミの気を引こう、視線をとらえようと必死だ。

隣の小学生くらいの女の子の足を踏みつけているのにすら気づいてない。
いや、ひょっとしたら気づいていたのかもしれない。
ネズミのガールフレンドと、ハグしてもらい頭をのけぞらせて大はしゃぎだ。

何が最悪って、そんな自分の姿を、俺が、この俺が愛おしげに眺めていると思い込んでいるのだ。
これは耐えがたい。
大枚はたいた揚句に得たものはネズミとのハグか。

お土産ショップも、極端な円安ドル払いかと思われるほどバカ高い。
友人へのお土産といって、ネズミファミリーのキャラものを大量に買い込む。
そのお会計は俺だ。

レジ係の人から金額を言われたときには、桁がひとつふたつ間違ってますよと言いそうになった。
クレジットのポイントが大量につくことがせめてもの救いだったが、笑えない。
「ご一緒に明細書をご確認ください」という店員さんの声。
言われなくても、そうする。

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