ランチプレート

僕は今日、見てしまった。
久々にバイトに来てみると、僕の最愛の「ダジャレ女子」が他の男といちゃついてるのを。
そりゃあ、あいつは誰とでも気さくに話すやつだ。
でも、久々にシフトが一緒なのを確認してなかったのかよ。

しかも久しぶりに会うってのに、相変わらずバカバカしいギャグを連発してくる。
宴会サービスは、6月に入って毎回結婚式だった。
毎日毎日よくもまあ、こんなに夫婦が誕生するものだと、感心する。
最初の頃は、数々のカップルの人生最高の瞬間に感動もしたが、最近では完全に日常茶飯事だ。
酔った親戚筋のオヤジさんらにビールをついで回ったり、プライドの高そうな会社の偉いさん的な人から「君、本部長に新しいグラスを」の命令に応えて恭しくグラスを差し出す。
お追従の片棒までも担ぐのだ。
特に、バイトながらも僕はいつの間にかチーフ的な役割になった。
新郎新婦の晴れのテーブルに着くのも、毎回僕。
慣れたとはいえ、精神的にもきつい仕事だった。
それより家庭教師のバイトの方が、よほどやりがいもあるし、僕には向いてると思う。
「先生、因数分解がちっとも分からないんだよ~」などと泣き顔だった生徒が、めきめきと力をつけ、成績にも彼らのそうした努力が反映されたときなど、天職とすら感じる。
それでもこの宴会サービスのバイトを続けている理由は、あいつだった。
でも、あいつはちっとも「大人の女性」にはならない。
いつもいつもギャグを飛ばしては、僕を笑わせるばかりだ。
「お疲れです~」と休憩室でランチプレートを手に、僕のテーブルに駆け寄る姿。
この元気な姿が見たいだけ。
だからこのバイトを続けてるというのに。
切ない思いで廊下を歩いていると、「宴会サービスのマドンナ」が目に入った。
そういや、彼女とも久々にシフトが一緒だな。
声をかけるべきなんだろうが、僕にはその親切心を出す元気は、今はでない。
ぼぉっとその華奢な後ろ姿を見送るばかりだ。

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