失った横顔

彼がわたしを乗っける車は外車だった。
ドイツの高級車。
アウトバーンからジャパンマネーにより強奪された。
左ハンドルだ。
だから彼はいつもわたしの左横顔を見ることになった。
彼はうっとりと視線を注ぐ。

彼に会ってから気づいた。
私は左顔の方が母そっくりで、整っている。
そうして右は父そっくりで、結構いびつだ。
でも、私は自分の右横顔の方をこそ愛している。
車に乗り込みしばらくすると、彼は私の左手に手を伸ばし、握りしめる。
「会いたかったよ」と。
正直な私は、「わたしも」とは言わない。
彼は左手でハンドルを握り、右手をわたしの手から腕へと滑らせていく。
そうして肩先を優しく掴む。
ハンドルは片手で握ったまま。
そして肩から腕へとふたたび手の平を下へと滑らせる。
でも今度の最終地点は手先じゃない。
彼の湿っぽい手が、私の腕の横側、左側の膨らみへと逸れてくる。
わたしの優しい円やかさ。
彼が会いたかったのは、私じゃない。
この円やかさだ。
わたしはされるがままになっている。
頭が徐々にぼやけてくる。
官能と侮辱がマーブル状となって頭をグルグルと渦巻く。
クーラーが清潔な冷気を吹き出して、ひんやり心地いい。
高速道路についた車は料金所で止まった。
人目を感じた彼は、私からいったん手を放す。
でも高速に入ってしまえば、人目なんてないも同然。
恐いから運転に集中してほしいと、わたしは彼に告げる。
彼は優しく寛大な笑みを浮かべ、両手でハンドルを握る。
フロントガラスからは暮れゆく神戸の街がよく見渡せた。
この街はとても瀟洒に造られている。
なのに、裏の路地をひょいと曲がれば、猥雑さがすぐさまにも顔を出すのだ。

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