迷子の記憶

お正月、家族親戚で集まって話していてふと思い出した記憶があり、その話でかなり盛り上がった。
それは私の覚えている限りどうやら初めての記憶で、迷子の記憶だった。

私が2歳の時、母は妹を妊娠中で祖父と祖母は私が退屈しないようにと近所の大きな植物園に連れて行ってくれた。
母がいないことに対してどう思ったかは覚えていないけれど、おそらく不思議だったのではないかと思う。
祖父と祖母がトイレに行くと言ったのだが、私は植物園の暗いトイレに入りたくなく一人で待っていると言った。
ここからが今では考えられないのだが、2歳の子供を残して、祖父も祖母も同時にトイレに行った。
絶対にここから動かないでね、と言われお姉ちゃんになるから動かないと言ったらしい。
しかし、いざ一人になるとなぜかわからないがどうやら私は自由気ままに動いてしまったようだ。
そのあと覚えているのは、私を大慌てで探していた祖父と祖母に会ったときの、なんだかとんでもないことをしてしまったんだという後悔だ。
子供心にやってはいけないことをしてしまったんだ、ごめんなさい、困らせてごめんなさい、という記憶が私の中で覚えている限り初めての記憶と感情だった。

お正月みんなで話していたときは、子供を置いて行った祖父と祖母が悪いよね、という話で落ち着いたのだが、私は未だにそれ以来、二人を困らせることが何より申し訳ないと思っている。
2歳ながら自分の中ではどうやら迷子はとても強烈な経験だったようだ。

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