フレネミー

我ながらくどいけど、高校時代よくもてた。
追っかけグループはいくつかいたけど、中でも目立ったのはラグビー部の子だった。
当時のあの学校であの部は高校生カーストの最上級。

しかも彼はグルのマブダチ。

学園祭ともなると、ステージで歌い踊る。
そんな派手で目立つ存在だった。

そしてラグビー部は顧問が熱心だったせいもあり、部員数が多かった。
よってわたしの存在は学校内で知る人ぞ知る有名人となった。
その男の子とは、2年生の時クラスが一緒だったのだ。

で、3年生でクラスは別になり、その子のクラスには、中学の頃のわたしの仲良しさんがいた。
3年生になった5月だか6月に、そのわたしの仲良しさんは、血相を変えて私の元へやってきた。
聞きたいことがある、と。

その日は朝礼で、校長の話が始まりそこでいったん途切れた。
で、終わったあと、私は彼女の元へ、話の続きを聞きに向かった。
すると彼女はバイバーイと、小首をかしげたぶりっこスタイルで去って行った。

なんじゃありゃ、私は憤慨した。
あんな血相変えて何を聞きたかったわけ?といつもの親切心から想像した。
英語の文法?それとも進路?そうかバイトはいつごろやめる予定とか?いろいろな事が考えらえた。

が、その時、天性の女優であるこの私の思いつきが脳裡にスパークリングした。
彼女は、例のラグビーのことを聞こうとしたのだ。
で、途中思い直したのだ。

知らせるのは悔しすぎる、と。
その後、彼女とラグビーの教室の前を通ると、これみよがしに彼女は私に声をかけた。
教室に走る緊張と興奮。
私は彼女がすっかりイヤになった。

もし、あの時彼女がラグビーの事を私に知らせていたら?。
私は今よりもう少し同性が好きになっていたに違いない。

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